本記事は2026年6月15日時点のINDとDigiD公式情報をもとにした、オランダ移住者向けのMy IND利用ガイドです。個別の在留資格、申請経路、スポンサーの有無、家族構成により表示内容や必要対応は異なります。この記事は制度の一般整理であり、申請の成否や法的判断を断定するものではありません。最終的な判断はINDから届く通知、スポンサー、学校、雇用主、必要に応じて専門家へ確認してください。
My INDで何が確認できるかを先に分けます
INDの英語サイトでは「My IND」、オランダ語では「Mijn IND」と表記されます。どちらも同じく、INDが提供するオンラインサービスを指します。日本人が最初に押さえるべき点は、My INDは「申請を必ず早める画面」ではなく、「INDに登録されている情報と進捗を確認する画面」だということです。ログインしたから審査が早くなるわけではありませんが、見落とすと困る通知や追加書類の案内に気づきやすくなります。
My INDで見える主な項目は、申請状況、在留許可の情報、個人情報、今後申請できる可能性のある手続きです。たとえば、申請タブでは処理状況や決定までの目安を確認できます。在留許可タブでは、許可が発行されている場合にカード上の情報を確認できます。個人情報タブではINDに登録されている情報を見られますが、すべてを自分でオンライン変更できるとは限りません。
申請状況は「審査中かどうか」と「期限」を見る画面です
申請状況の欄では、INDが申請をどこまで処理しているか、決定までどれくらいかかる見込みかを確認できます。ここで重要なのは、表示が止まって見えても、法定または合理的な決定期間内であれば審査中という扱いになり得る点です。日本の宅配追跡のように毎日細かくステータスが変わる画面を期待すると、かえって不安になります。
また、INDは申請種別ごとの決定期間を使って処理します。期限内であれば、My IND上の表示が大きく動かなくても、それだけで遅延や不備を意味するとは限りません。逆に、追加書類の依頼や連絡先の不備があると、画面や通知を見逃したことが実務上の遅れにつながる可能性があります。確認すべきなのは、毎日の細かな変化よりも、期限、追加依頼、通知の有無です。
在留許可タブはカード受け取り前後で見方が変わります
在留許可タブでは、すでに発行された在留許可の種類や、在留カードに印字される情報を確認できます。ただし、申請直後からすべての情報が見えるとは限りません。カードがまだ作成されていない段階では、期待している表示が出ないことがあります。カードの受け取り通知、バイオメトリクス、住所登録など、別の手続きの進行状況と合わせて見る必要があります。
在留カードを受け取った後は、氏名、生年月日、国籍、有効期限、労働条件などを早めに確認します。日本の氏名表記、ミドルネームの有無、婚姻後の姓、家族分の表記は、移住直後に混乱しやすい部分です。My IND上で気づいた違和感は、カード現物、INDからの決定通知、自治体登録情報を突き合わせて確認するとよいです。
今後の選択肢は「今すぐ全部できる一覧」ではありません
Follow-up optionsのような欄には、今後申請できる可能性のある手続きが表示されます。IND公式情報では、たとえば延長申請の選択肢は在留許可の期限が切れる3か月前から表示される例が示されています。つまり、何も表示されないから将来の手続きが存在しない、という意味ではありません。
日本人読者がここで誤解しやすいのは、ポータルに見える選択肢を「自分の在留戦略の全体図」と受け取ってしまうことです。My INDは便利ですが、移住計画の設計書ではありません。更新、目的変更、家族帯同、永住、帰化などは、それぞれ要件と時期が異なります。画面に表示される選択肢は、あくまでINDがその時点でオンライン上に示している手続き候補として扱うのが安全です。
DigiDログインの準備はBSNと住所登録から逆算します
My INDへログインするにはDigiDが必要です。DigiDはオランダの行政オンライン認証で、税務、自治体、医療保険、年金など多くの手続きで使います。ただし、日本から初めてオランダへ移住する人にとっては、DigiDは入国前に簡単に作れるものではありません。DigiD公式ページでは、申請にBSN、市町村の登録住所、携帯電話が必要とされています。
この順番を間違えると、「My INDを見たいのにDigiDがない」「DigiDを取りたいのにBSNがない」「BSNを取るには自治体登録が必要」という状態になります。移住前に準備できるのは、DigiDアプリの存在を知っておくこと、オランダ到着後すぐ自治体登録の予約を進めること、郵便物を確実に受け取れる住所を整えることです。
初回移住の日本人は入国後のDigiD取得が基本です
DigiDの申請にはBSNが必要です。BSNは、多くの日本人移住者にとって、オランダ到着後に自治体へ住民登録して取得する番号です。すでに過去のオランダ居住でBSNを持っている人や、海外居住者向けの例外に当てはまる人を除くと、初回移住前の日本国内でDigiDを完成させるのは一般的ではありません。
DigiDを申請すると、有効化コードが登録住所へ郵送されます。公式情報では、通常数営業日で届く目安が示されていますが、郵便事情や住所登録の状態により体感は変わります。仮住まい、短期アパート、集合住宅、郵便受けの名前表示が不十分な住居では、行政郵便が届きにくい可能性があります。入国後の最初の実務として、郵便物を確実に受け取れる状態を作ることが重要です。
DigiDアプリは便利ですが、日本の本人確認書類だけでは完結しないことがあります
DigiDアプリは、My INDを含む行政サービスへログインするための中心的な手段になります。DigiD公式ページでは、アプリはiOSやAndroidの一定以上のバージョンで利用でき、PINや生体認証を使えると説明されています。ただし、アプリの有効化やIDチェックの方法は、持っているアカウント、電話番号登録、端末、本人確認書類により変わります。
日本人が知っておきたいのは、DigiDアプリのIDチェック(NFC読み取り)は日本のICパスポートに対応している点です。スマートフォンで日本のICパスポートをNFC読み取りすれば、認証レベルを「実質的(Substantial)」以上にアップグレードできます。在留カードはIDチェックには使えませんが、日本のICパスポートは利用可能です。SMSコード、郵送の有効化コード、すでに有効なDigiDアプリからの追加端末設定など、自分の状態に合うルートを公式案内に沿って確認します。
他人のDigiDを借りる運用は避けます
DigiDは個人に紐づく認証手段です。家族の手続きであっても、配偶者や知人のDigiDを借りて自分の情報を見る運用は避けるべきです。DigiD公式ページでも、本人以外のDigiDを申請することはできず、誰かを助ける場合には認可の仕組みを使う案内があります。
日本の行政手続きでは、家族がまとめて動く感覚が残りやすいです。しかし、オランダのオンライン行政では、ログイン主体と表示される個人情報が強く結びつきます。SMSコード、PIN、パスワード、バックアップコードを共有すると、後から誰が何をしたか分からなくなります。My INDを見るためだけでも、本人ごとのDigiDを整える前提で進めるのが安全です。
申請状況は「追跡」より「記録」と組み合わせます
My INDは便利ですが、移住直後の不安をすべて解消する画面ではありません。申請が受理された日、申請種別、スポンサーの有無、追加書類の依頼日、提出日、決定期限を自分でも記録しておく必要があります。画面を何度も更新するより、公式通知と自分の記録を並べて確認するほうが、問い合わせが必要な場面を判断しやすくなります。
私はオランダ移住の準備で、IND、自治体、学校、住居、銀行の連絡が同時に来る状態を経験しました。どのメールが何の手続きかを後から思い出すのは難しいです。IND関連だけでも、件名、日付、ケース番号、提出期限、必要な次の行動を1行で残しておくと、家族分の管理がかなり楽になります。
画面の更新が遅く見えても即トラブルとは限りません
My IND上の申請ステータスが数日または数週間変わらないことはあり得ます。IND公式ページでは、それぞれの申請には法定または合理的な決定期間があり、INDはその期間を使って処理できると説明されています。したがって、画面の表示が静かなこと自体を、ただちに不備や拒否の兆候と読む必要はありません。
ただし、追加書類の提出期限、バイオメトリクスの案内、住所や連絡先の不一致などは、別の通知として出る可能性があります。申請状況だけを見るのではなく、My IND内のメッセージ、登録メール、郵便、SMS、mijn.overheid.nlのBerichtenboxを使っている場合はそちらの通知も合わせて確認します。通知経路が複数あることを前提にしておくと、見落としを減らせます。
決定後も申請が永久に残るとは考えません
IND公式情報では、決定後の申請は一定期間だけMy INDに残ると説明されています。後からいつでも全部を見返せるクラウド保管庫のように扱うのは危険です。決定通知、支払い記録、追加書類の控え、在留カード受け取り案内などは、自分の安全な保管場所にも保存しておきます。
保存するときは、個人情報の扱いにも注意します。BSN、V-number、パスポート番号、ケース番号、住所、電話番号は、外部チャットや共有フォルダに不用意に貼らないほうがよい情報です。家族やスポンサーと共有する場合も、必要な範囲に絞り、スクリーンショットの余白に不要な個人情報が写っていないか確認します。
問い合わせ前にそろえる情報を決めておきます
INDへ問い合わせる前には、申請日、申請種別、ケース番号またはV-number、My INDで見えている最新表示、最後に届いた通知の日付、追加書類を出した日を整理します。情報がばらばらのまま問い合わせると、一般的な回答で終わる可能性があります。逆に、必要な情報がそろっていると、状況確認の会話が短くなります。
問い合わせは、審査を早める魔法ではありません。決定期間内であれば、INDから「処理中」と案内されるだけのこともあります。問い合わせが必要になる目安は、期限を過ぎた、追加書類を提出したのに反映や受領の見通しが分からない、通知された内容が自分のケースと明らかに合わない、ログインできず重要通知を確認できない、といった場面です。
追加書類と通知はMy INDだけに頼り切らないようにします
INDから追加書類を求められた場合、DigiDを持っていて、申請や異議申立てなどの手続きがまだ処理中であれば、オンラインで書類をアップロードできる場合があります。これは便利ですが、「何でもMy INDへ上げればよい」という意味ではありません。対象手続き、提出期限、必要な書類形式、翻訳やアポスティーユの要否は、通知の文面を優先して確認します。
追加書類の提出は、移住の実務でミスが起きやすい部分です。日本語の戸籍、婚姻関係、出生証明、銀行残高、雇用契約、学校書類などは、オランダ側が求める形式に合っているかが重要です。この記事では個別書類の適否は判断しませんが、提出前に「誰の」「どの申請の」「どの依頼に対する」書類なのかを確認することを勧めます。
アップロード前にファイル名と中身を確認します
追加書類をアップロードする前に、ファイル名、ページ順、読みやすさ、署名や日付の有無を確認します。スマートフォンで撮った画像をそのまま出すより、PDFとしてページ順をそろえるほうが、後から自分でも管理しやすいです。ただし、公式が指定するファイル形式や容量がある場合は、それに従います。
日本人の書類では、漢字、ローマ字表記、旧姓、家族関係、翻訳者情報が混ざることがあります。ファイル名には、個人情報を入れすぎない範囲で、申請者名の略称、書類種別、日付を入れると整理しやすいです。提出後は、アップロードした日時、ファイル名、画面上の確認表示、関連する通知を控えておきます。
DigiDがない場合や対象外の場合は別ルートがあります
IND公式ページでは、DigiDがない場合、またはBusiness PortalやSolicitor Portalにアクセスできない場合、セキュアメールで書類を送るルートも案内されています。さらに、郵送で提出する場合もあります。どのルートが使えるかは、手続きの種類とINDからの案内により異なります。
重要なのは、DigiDがないから何もできない、と決めつけないことです。一方で、自己判断で通常メールに個人情報を添付したり、通知と違う宛先へ送ったりするのは避けたほうがよいです。セキュアメールや郵送を使う場合でも、ケース番号を件名や同封メモに書くなど、INDがどの手続きの書類か分かるようにする必要があります。
Berichtenboxを使うならメール通知だけで安心しません
My INDの案内では、mijn.overheid.nlのBerichtenboxでINDからのメッセージを受け取る設定をしている場合、新しいメッセージがあるとメールでも通知されると説明されています。ただし、メール通知は補助的なものとして扱うのが安全です。迷惑メール、転送設定、メールアドレス変更、通信障害で見落とす可能性があります。
オランダ移住直後は、メールアドレス、電話番号、住所、郵便受け、DigiDが同時に変わりやすい時期です。行政通知の経路を一つだけに頼ると、どこかが詰まったときに気づきにくくなります。My IND、郵便、SMS、Berichtenboxを使っている人はBerichtenboxの画面を、週に一度など決まった間隔で確認する運用が現実的です。
日本人がつまずきやすい家族分、住所、スマホの扱いを確認します
My INDの使い方で、日本人がつまずきやすいのは、画面そのものよりも周辺条件です。DigiDが本人ごとに必要であること、家族分の表示が申請者やスポンサーの関係で変わること、住所登録と郵便が行政通知に直結すること、スマホ変更でログインが止まる可能性があることです。移住直後は、これらが同時に起こります。
特に家族移住では、「私が代表で申請したから、家族全員分が同じ画面に全部出るはず」と思い込みやすいです。IND公式情報では、家族のスポンサーである場合に家族情報を見られることがあり、12歳未満の子どもの情報を見るときは子どものDigiDではなく自分のDigiDでログインする説明があります。スマホ表示では、名前の右側にある展開操作が必要になる場合もあります。
家族分は一人ずつ通知と期限を分けて管理します
配偶者、子ども、スポンサー本人で、申請の見え方や通知タイミングがずれることがあります。代表者に届いた通知だけで家族全員の期限を判断しないほうがよいです。家族ごとに、申請日、ケース番号、DigiDの有無、バイオメトリクス、カード受け取り、追加書類の有無を分けてメモします。
未成年の子どもは、DigiDやMy INDの扱いが大人と同じとは限りません。学校、自治体登録、医療保険、INDの在留許可が並行して進むため、親の画面で見える情報と、子ども本人の通知、郵便物を突き合わせる必要があります。画面に出ていないから手続きが不要、という短絡的な判断は避けるのが安全です。
住所と郵便受けはオンライン手続きの一部です
オンラインポータルの記事で住所や郵便受けの話をするのは遠回りに見えるかもしれません。しかし、DigiDの有効化コード、INDの通知、自治体からの郵便は、登録住所と実際の郵便受けに依存します。日本の感覚では、オンライン化された手続きは郵便と切り離されているように見えますが、オランダでは重要な確認が郵送で届くことがあります。
仮住まいから本住居へ移る場合、住所変更のタイミングにも注意します。INDに登録されている住所、自治体のBRP住所、DigiD関連の住所、実際に郵便を受け取れる住所がずれると、通知を見逃す可能性があります。My INDで個人情報を見られる場合でも、変更できる情報と自治体側で直すべき情報が分かれるため、画面の表示だけで完結したと考えないほうがよいです。
スマホ変更と電話番号変更はログイン不能の原因になります
DigiDアプリやSMS認証を使う場合、スマホ変更、SIM変更、電話番号変更、海外ローミング停止がログイン不能の原因になることがあります。DigiD公式ページでは、SMSコードが届かない場合に音声SMSを使える場合があること、端末やブラウザ、OSの更新、日時設定、通信環境を確認することなどが案内されています。
移住直後に日本の番号からオランダの番号へ切り替える人は多いです。そのとき、DigiDの設定、メールアドレス、バックアップ方法を後回しにすると、My INDへ入りたいタイミングで詰まる可能性があります。新しい端末へ変える前、古い端末を初期化する前、電話番号を解約する前に、DigiDへログインできる状態を確認しておくと安心です。
My INDは「自分で状況を見失わないための道具」として使います
My INDは、INDに問い合わせずに進捗と登録情報を確認できる便利な道具です。一方で、表示される内容は申請種別やタイミングにより異なり、すべての行政手続きが一画面で完結するわけではありません。日本人の移住実務では、My IND、DigiD、自治体登録、郵便、スポンサーや学校からの連絡を別々に扱いながら、必要なところだけをつなげて見る意識が大切です。
最初に整える順番は、住所登録とBSN、DigiDの申請と有効化、My INDへのログイン確認、申請状況と通知の定期確認、追加書類の提出記録です。これを一度作っておくと、更新、目的変更、家族分の手続きでも同じ型を使えます。制度や画面は変わる可能性がありますが、「公式通知を確認する」「期限を記録する」「個人情報を安全に扱う」という基本は変わりにくいです。