オランダでzzpとして仕事を受けるとき、業務委託契約は「料金と納期を決める紙」だけではありません。特に2025年以降は、Wet DBAに基づく偽装請負(schijnzelfstandigheid)への確認が強まり、契約書の文言だけでなく、実際にどのように働いているかが見られます。日本でいう業務委託契約の感覚のまま、週5日、相手のオフィス、相手の勤務表、相手の上司の指示で働く形にしてしまうと、オランダでは「実態は雇用ではないか」と見られる可能性があります。

本記事は、オランダに住む日本人がzzpとしてクライアントと契約する前に確認したい実務ガイドです。法律判断や税務判断を代行するものではありません。業種、報酬、勤務場所、契約期間、指揮命令の有無、代替要員の可否、他の顧客の有無などで結論は変わります。迷う場合はBelastingdienst、Rijksoverheidのツール、会計士、税務アドバイザー、労務に詳しい専門家へ確認する前提で読んでください。

まず結論:偽装請負は契約名ではなく実態で見られます

schijnzelfstandigheidは、形式上はzzpとして業務を受けているのに、実際には従業員のように働いている状態を指します。Business.gov.nlやBelastingdienstの説明では、クライアントとzzpの双方が、雇用関係ではないかを一緒に確認する責任を負うとされています。つまり、クライアントが契約書を用意してくれたから安心、という話ではありません。

日本人が特に注意したいのは、日本の「業務委託」という言葉がかなり広く使われる点です。日本では、実質的には常駐に近い働き方でも、契約名として「準委任」「業務委託」と呼ばれることがあります。オランダでも契約自由はありますが、Wet DBAの文脈では、契約名よりも、指揮命令、個人で働く義務、報酬、組織への組み込まれ方、事業者としてのリスクなどが合わせて見られます。

契約書は入口であって結論ではありません

契約書に「independent contractor」「zzp」「no employment relationship」と書くこと自体は役に立ちます。ただし、それだけで偽装請負ではないと確定するわけではありません。Belastingdienstは、契約書と実際の働き方が一致しているかを重視します。たとえば、契約書では自由な働き方と書いているのに、実際には毎日9時から17時まで相手の管理下で勤務し、上司から細かい指示を受けるなら、書面と実態がずれています。

実務では、契約書を作る段階で「この条項どおりに本当に動けるか」を確認することが大切です。場所、時間、成果物、報告頻度、ツール、代替要員、他顧客との両立、成果責任を紙に書くだけでなく、初回ミーティングからその前提で運用します。契約書は、後から説明するための証拠の一部であり、日々の行動を上書きする魔法の書類ではありません。

クライアント側だけの問題ではありません

偽装請負のリスクは、クライアントだけにあるわけではありません。Belastingdienstの説明では、後から雇用だったと判断されると、クライアント側では賃金税や社会保険関連の処理が問題になり、zzp側でも所得税やVAT、起業家向け控除の扱いに影響する可能性があります。自分では「フリーランスとして請求書を出していた」と思っていても、その案件が雇用扱いになると、請求書、VAT、控除の前提が崩れることがあります。

また、雇用として扱われるなら、病気、休暇、失業、解雇保護などの権利が関係する場面もあります。これは「どちらが得か」だけで判断する話ではありません。クライアントと自分の双方が、実際の働き方に合った契約形態を選ぶ必要があります。特に単価が低い、長期間同じ顧客だけに依存している、相手の社員と同じシフトで働く、といった状態では、早めに契約と運用を見直すほうが安全です。

2025年以降は放置しにくくなっています

2025年1月1日以降、Belastingdienstのhandhavingsmoratoriumは終了し、通常の執行が再開されています。公式説明では、2025年中の罰金については移行的な扱いが示されていましたが、2026年以降は状況により罰金が問題になる可能性があります。さらに、後からの追徴が常に無制限にさかのぼるわけではない一方で、悪質性がある場合や以前の指示に従わなかった場合には扱いが変わることがあります。

ここで重要なのは、怖がってzzpをやめることではありません。むしろ、独立した仕事として説明できる案件は、契約書と運用を整えて続けるべきです。私自身も、日本の業務委託感覚からオランダのzzp実務へ切り替えるとき、「相手に迷惑をかけないために合わせる」ことと「独立事業者として裁量を持つ」ことを分けて考える必要があると感じました。丁寧な協力と、雇用のような従属は同じではありません。

契約書に最低限入れたい項目

zzpの契約書で最初に整えるべきなのは、見た目よりも項目の分解です。業務範囲、成果物、期間、報酬、支払条件、費用負担、知的財産、秘密保持、責任範囲、終了条件を分けて書きます。そのうえで、偽装請負の観点では、働き方の裁量、指揮命令の範囲、代替要員の可否、他顧客との関係を曖昧にしないことが重要です。

日本式の契約書では、「甲乙協議」「善良なる管理者の注意」「本業務に付随する一切の業務」のように広く書くことがあります。オランダのzzp契約でそのまま使うと、相手が自由に仕事を追加できるように見えたり、勤務実態が雇用に寄りやすくなったりします。すべてを細かく縛る必要はありませんが、独立した事業者として何を引き受け、何は別見積もりなのかを分けておくほうが実務的です。

業務範囲と成果物

業務範囲は「marketing support」「IT consulting」のような大きな言葉だけで終わらせないほうが安全です。たとえば、Webサイト改善なら、調査、提案、実装、レビュー、会議参加、ドキュメント作成のどこまで含むかを書きます。成果物がある案件なら、レポート、コード、デザイン、翻訳、ワークショップ資料など、納品物を列挙します。成果物がない継続支援なら、月ごとの活動範囲や上限時間を明示します。

偽装請負を避ける観点では、「クライアントの通常業務を社員と同じようにこなす」形に見えないよう、案件単位の目的をはっきりさせます。もちろん、長期プロジェクトや継続支援でもzzp契約はあり得ます。ただし、毎週同じシフトで、相手の社員の欠員補充として入り、仕事の内容を日々上司が割り振る形なら、雇用に近く見られる可能性が高まります。

報酬、請求、費用負担

報酬は、時間単価、日単価、固定額、マイルストーン払いなどから選びます。どれが必ず安全という話ではありませんが、単価の決め方、請求タイミング、支払期限、VATの扱い、経費の承認方法は契約書に入れておきます。特にオランダでは、請求書(factuur)の形式やVATの扱いが税務に直結します。契約書と請求書の名義、住所、VAT ID、KvK番号がずれないようにしておくと、後から説明しやすいです。

商業リスクも見られます。たとえば、固定額で成果責任を負い、自分の機材やソフトウェアを使い、修正対応の範囲を決めている場合は、事業者としての要素を説明しやすくなります。一方で、相手がすべての道具を用意し、単価も社員給与に近く、作業失敗のリスクをほぼ負わず、勤怠だけで支払われる場合は、雇用に近い要素が増えます。ここは業種により違うため、単独要素で断定せず、全体で見ます。

契約期間、更新、終了条件

契約期間は、開始日、終了日、更新方法を明記します。無期限に近い状態で、1社だけに常駐し続ける場合は、実態として雇用に近く見られる可能性があります。長期契約が直ちに違法という意味ではありませんが、プロジェクトの目的、成果物、更新時の見直し、双方の終了権を整理しておくほうが安全です。

終了条件では、通知期間、未払い報酬、納品済み成果物、秘密情報、アカウント返却、知的財産の扱いを決めます。日本の業務委託では、相手との関係性を重視して終了条件を曖昧にしがちです。しかし、オランダで独立事業者として動くなら、終わり方が書かれていることも大切です。自由に仕事を受けるということは、合理的に仕事を終える権利と責任も持つということです。

知的財産、秘密保持、責任範囲

制作、開発、コンサル、翻訳、デザインでは、知的財産と利用権を契約書に入れます。著作権を譲渡するのか、利用許諾にするのか、素材やテンプレートの再利用を認めるのか、成果物の公開実績として紹介してよいのかを分けます。秘密保持についても、相手の顧客情報、価格、技術情報、個人情報に触れる場合は、範囲と期間を決めます。

責任範囲は、過度に広く引き受けないことが重要です。損害賠償の上限、間接損害の除外、修正対応の範囲、第三者クレームの扱いを確認します。日本人は「相手に迷惑をかけない」意識から、何でも引き受ける文面にしがちです。ただ、独立事業者として継続するには、保険、単価、責任上限が釣り合っている必要があります。クライアントが大企業の場合は先方テンプレートが強いこともあるため、読めない条項は専門家に見てもらうほうが安全です。

偽装請負リスクを下げる働き方の設計

Belastingdienstの説明では、雇用かどうかを見るとき、すべての事実と状況が重要だとされています。代表的には、仕事の性質と期間、作業方法や勤務時間の決まり方、クライアント組織への組み込まれ方、本人が必ず働く義務、報酬の決め方、商業リスク、事業者として外部に振る舞えるかなどです。これはチェックリストで機械的に合否が決まるというより、全体のバランスで判断される領域です。

そのため、契約書作成時に「禁止条項を入れる」より、「実際に独立して働ける設計にする」ことが重要です。クライアントの都合に合わせる場面は当然ありますが、全体として自分で仕事の方法を決め、複数顧客に開かれ、成果や専門性に対して報酬を受け、事業上の責任を負っている形に近づけます。

指揮命令を受けすぎない

雇用に近い要素として見られやすいのが、クライアントが「いつ、どこで、誰と、どの順番で、どう作業するか」を細かく決める状態です。もちろん、納期、セキュリティ、チーム連携、法令遵守、品質基準について指示を受けることはあります。しかし、日々の作業手順まで社員と同じように管理され、承認なしに方法を変えられないなら、独立性は説明しにくくなります。

契約書では、クライアントが成果物や要件を指定できることと、zzpが作業方法を自分で決めることを分けます。たとえば「クライアントは成果物の要件と期限を指定する」「請負者は専門的判断により作業方法を決定する」という方向です。実務でも、タスク管理ツールに入る場合は、社員の勤怠管理ではなく、プロジェクト連携のために使うという位置づけを確認しておくとよいです。

勤務時間と場所を固定しすぎない

毎週同じ曜日、同じ時間、同じ場所で働くこと自体が直ちに雇用を意味するわけではありません。ただし、長期間にわたり、社員と同じシフト、同じ休暇申請、同じ上長承認で働く場合は、雇用に近い印象が強まります。特にオフィス常駐や現場業務では、業務上必要な安全ルールと、雇用的な勤務管理の線引きが曖昧になりやすいです。

zzp契約では、成果物、ミーティング、納期、連絡可能時間を決めつつ、作業時間と場所に一定の裁量を残す設計が現実的です。セキュリティ上、顧客環境で作業する必要がある場合も、その理由、期間、アクセス権限、作業目的を明確にします。「毎日来てください」ではなく、「この工程ではオンサイト作業が必要です」と説明できる状態にするイメージです。

代替要員と再委託の扱いを決める

Belastingdienstの雇用判断では、本人が必ず作業する義務も要素の一つです。契約上、本人しか作業できない形は、専門性の高い仕事では自然な場合もあります。ただ、常に本人の労働力そのものを提供する契約に見えると、雇用的な要素が増えます。再委託や代替要員を許すかどうかは、守秘義務、品質、個人データ、業界規制によって変わります。

実務的には、「クライアントの合理的な承認を得たうえで代替要員や協力者を使える」「ただし秘密保持と品質責任はzzp側が負う」といった書き方が考えられます。許可しない場合でも、その理由を専門性や安全性に基づくものとして整理します。単に「この人が毎日出勤すること」が契約の中心になっていると、後から説明しにくくなります。

他の顧客と事業者性を保つ

事業者としての振る舞いも重要です。複数の顧客がある、Webサイトやプロフィールでサービスを出している、自分で営業する、自分の道具や保険を持つ、価格を交渉する、案件ごとに見積もる、といった要素は、独立性の説明に役立ちます。反対に、1社だけに長期間依存し、名刺やメールアドレスも相手企業のものだけを使い、社内評価制度に入るような状態では、説明が難しくなります。

日本人移住者の場合、最初の顧客が1社だけになることは珍しくありません。移住直後に複数顧客を持つのは簡単ではないため、1社依存そのものを過度に恐れる必要はありません。ただし、契約書上は他の案件を受ける自由を残し、実際にも営業、ポートフォリオ、請求書、会計、保険などを自分の事業として整えるほうが安全です。長期化する場合は、契約更新時に働き方を再確認します。

モデル契約と2025年以降の注意点

以前は、Belastingdienstが承認したmodelovereenkomstを使うことで、一定の安心材料にする実務がありました。ただし、Belastingdienstは2024年9月6日以降、新しいモデル契約の審査を行わず、既存の承認済みモデル契約も原則として2029年12月31日までの扱いとしています。さらに、モデル契約が意味を持つのは、契約書に書かれたとおりに実際も働いている場合です。

つまり、インターネットで見つけたテンプレートをコピーしても、それだけでは足りません。自分の業務、顧客、業種、働き方に合っていなければ、むしろ「書面と実態が違う」状態を作ります。モデル契約は、条項の考え方を学ぶ資料として使い、最終的には案件ごとの実態に合わせて整える必要があります。

新しいモデル契約の審査は止まっています

Belastingdienstは、モデル契約が「見せかけの安心」を生むことがあるとして、新しい契約の審査を停止しています。理由は明確で、労働関係の評価は紙に書いた約束だけでなく、実際の働き方に依存するからです。既存の承認済みモデル契約は一定期間使えるものの、期限や条件を確認する必要があります。

日本人が注意したいのは、「公式モデル契約を使えば何でも大丈夫」という理解です。日本では、行政や大企業のひな形を使うと安心だと感じやすいです。しかしオランダのこの領域では、ひな形よりも、日々の働き方が独立事業者として説明できるかが中心です。モデル契約の条項を使う場合も、自分の案件に合わない部分はそのまま残さないほうがよいです。

WBAや選択支援は目安です

RijksoverheidやBusiness.gov.nlは、Webmodule Beoordeling Arbeidsrelatieや選択支援ツールを案内しています。これらは、クライアントが特定の案件について、雇用に近いのか、zzpとして実行できそうかを考える助けになります。ただし、Business.gov.nlも、ツールの結果は法的決定ではなく、目安として扱うものだと説明しています。

実務では、クライアントに「この案件はWBAや公式の選択支援で確認しましたか」と聞くのは有効です。特にオランダ企業が発注者の場合、相手側もリスク管理を気にしています。自分から一方的に判定するのではなく、相手と一緒に、どの点がzzpらしく、どの点が雇用に近いのかを確認すると、契約書の修正点が見えやすくなります。

契約後も定期的に見直します

Belastingdienstは、最初に雇用ではないと判断した場合でも、働き方は時間とともに変わるため、定期的に確認するよう案内しています。これは実務的にかなり重要です。最初は3か月のプロジェクト支援だったのに、気づくと1年以上同じ部署で、社員と同じ会議、同じ承認、同じ業務割り振りになっていることがあります。

契約更新時には、期間、業務範囲、作業場所、作業時間、他顧客との両立、成果物、報告方法を見直します。変更があったら、メールだけで済ませず、契約書、statement of work、発注書、または合意書に反映します。後から説明する場面では、「最初に契約した」ことより、「変化に合わせて見直していた」ことのほうが説得力を持つ場合があります。

2026年時点の表現に注意します

2026年6月15日時点では、2025年1月1日に執行猶予的な状態が終わったこと、2026年以降は状況により罰金が問題になり得ること、モデル契約の新規審査が止まっていることを前提にします。一方で、法改正案や新しいルールの施行時期は変更されることがあります。記事、テンプレート、契約書に「この形式なら絶対安全」と書くのは避けるべきです。

クライアントに説明するときも、「政府がzzpを禁止した」ではなく、「実態が雇用に近い契約をチェックする流れが強まっている」と表現するほうが正確です。独立した専門家として働く余地はあります。ただし、相手の社員の代替として、相手の指揮命令下で働く形は、以前より放置しにくいと考えるのが現実的です。

日本人が契約前に確認したい実務チェック

最後に、契約前に日本人が確認したいポイントを実務目線で整理します。ここでは「契約書に書いてあるか」だけでなく、「その通りに働けるか」を同時に見ます。ひな形の完成度よりも、クライアントとの認識合わせが重要です。

日本の常駐型業務委託をそのまま移植しない

日本のIT、制作、コンサル、バックオフィス支援では、業務委託でも客先常駐、週5日稼働、社員と同じタスク管理、上長承認という働き方が一般的に見られます。日本の実務として成立していても、オランダでそのままzzp契約にすると、雇用に近い要素が増えます。特に「欠員補充」「シフト穴埋め」「社員と同じ業務を同じ指示で行う」形は注意が必要です。

契約前には、なぜzzpに依頼するのかを確認します。専門知識が必要だからなのか、短期プロジェクトだからなのか、成果物が明確だからなのか、社内にない経験を買うのか。理由が「雇うより安いから」「社会保険を避けたいから」「すぐ切れるから」に近い場合は、リスクのある契約になりやすいです。相手が日本企業や日本人担当者でも、オランダで働くならオランダ側の判断枠組みを前提にします。

契約前に聞く質問

契約前に、少なくとも次のような点を確認します。誰が成果物を承認するのか。作業時間は自分で決められるのか。オンサイト作業が必要な理由は何か。相手の社員と同じ業務をするのか。自分の判断で作業方法を決められるのか。他の顧客を持つことに制限はあるのか。代替要員や協力者を使えるのか。請求は時間、日数、成果物、どれを基準にするのか。

答えが曖昧な場合は、契約書の前にメールで整理します。たとえば、「週次ミーティングには参加するが、日々の作業時間は請負者が決める」「成果物のレビューはクライアントが行うが、作業方法は請負者の専門的判断による」「プロジェクトの機密情報に触れるため、協力者を使う場合は事前承認を得る」などです。こうした文面は、契約書そのものではなくても、認識合わせの材料になります。

サイン前に危ない文言を直します

クライアントのテンプレートには、雇用契約に近い文言が混ざることがあります。たとえば、working hours、manager approval、holiday approval、employee handbook、probation period、non-compete、exclusive full-time availability、line managerといった語が、文脈によっては注意信号になります。すべてが禁止という意味ではありませんが、zzp契約に必要なのかを確認します。

特に、休暇申請、病欠報告、社内規程への全面服従、懲戒、評価制度、上司の包括的指揮命令が入っている場合は、雇用に近い文面になっていないか見ます。セキュリティ規程や個人データ保護のためのルールは必要なことがありますが、それと雇用的な人事管理は別です。読んで違和感がある条項は、相手に意図を確認し、必要なら専門家に見てもらいます。

記録を残しておく

契約後は、契約書、発注書、請求書、作業範囲の変更、主要な合意メール、納品物、ミーティングメモを保存します。偽装請負のリスクを下げる意味でも、日々の作業が契約書と一致していたことを後から説明できる状態にします。たとえば、成果物ベースの合意、作業方法の裁量、他顧客との並行、クライアントからの指示が要件や品質に限られていたことを示せると、説明しやすくなります。

私がオランダで契約書を見るときは、最初に「相手の社員になっていないか」を見るようにしています。丁寧に協力すること、SlackやTeamsに入ること、定例会議に参加すること自体は珍しくありません。ただし、自分の事業として価格を決め、範囲を決め、方法を決め、リスクを引き受け、請求する形が残っているかを確認します。ここが消えると、契約書のタイトルが業務委託でも、実態の説明が難しくなります。

zzp契約は、独立して働く自由を守るための道具でもあります。相手に合わせすぎると、親切なつもりでも雇用に近づくことがあります。逆に、何でも拒否すればよいわけでもありません。プロジェクトに必要な協力と、雇用的な従属を分け、契約書と実務を同じ方向にそろえることが、オランダで長くzzpとして働くための現実的な安全策です。