Guide / Healthcare

日本とオランダの医療制度比較

移住前に押さえておきたい、両国の医療制度の違いを対比表で整理しました。

制度対比表

制度の根本的な違いを、項目ごとに比較しています。

項目 オランダ
加入義務全居住者が民間保険加入義務(Zorgverzekering)
保険料定額 120-150 EUR/月(成人1名)+ 所得連動税
自己負担年間自己負担上限(Eigen risico) 385 EUR 程度
フリーアクセス原則GP経由(家庭医制度)
家庭医制度あり。GP(Huisarts)への登録必須
特定薬へのアクセス基本保険のフォーミュラリ内。一部は個別申請
救急112(救急車)、夜間休日はGPポスト
予防接種小児は国プログラム(RIVM)で無料
民間保険の位置付け基本保険そのものが民間。追加補償は別契約
緩和ケア在宅緩和ケア(Hospice at home)が発達

オランダの Zorgverzekering とは

オランダの健康保険制度 Zorgverzekering は、全居住者が民間保険会社と個別に契約する仕組みです。国が「基本保険(Basisverzekering)」でカバーされる内容を定め、保険会社はその範囲内でプランを提供します。つまり 仕組みは民間だが、カバレッジは国が規制 しているハイブリッド制度です。

渡航後4ヶ月以内の加入が義務付けられ、加入前に発生した医療費は遡って請求できます。低所得者には医療手当(Zorgtoeslag)の補助があります。

  • 基本保険: GP診察、入院、専門医、薬、出産等の必須医療をカバー
  • 追加補償(Aanvullende verzekering): 歯科、理学療法、海外旅行時の補償等を任意で追加
  • 自己負担(Eigen risico): 年385 EUR までは自己負担、超過分は保険でカバー(GP診察と子どもは対象外)

日本の健康保険を海外で使えるか

日本の公的健康保険には 海外療養費制度 がありますが、これは「一時的な海外滞在中に、やむを得ず現地で医療を受けた場合に、一部還付を受けられる」という制度です。移住して日本の住民票を抜いた時点で、原則として日本の健康保険の被保険者資格を失います。

また海外療養費制度で還付されるのは「日本で同じ治療を受けた場合の保険診療費」が上限で、海外での実費とは大きく乖離することが多いです。移住後の医療費は、現地の保険制度に加入して備えるのが原則 です。

  • 住民票を抜いた時点で、国民健康保険・後期高齢者医療制度の資格喪失
  • 会社員の健康保険も退職・海外勤務で資格喪失が通常
  • 任意継続や特例は限定的。税理士・社労士に要確認
  • 短期の一時帰国時の医療は、別途旅行保険等で備える

治療中の方・ご家族へ

現在治療中の方、または定期的な経過観察を受けている方にとって、移住後の医療継続は最重要課題のひとつです。以下の点は、移住前に必ず日本側の主治医・かかりつけ医と相談してください。

  • 現地のGP・専門医への引き継ぎ(英文紹介状・画像データ)
  • 常用薬がオランダでも処方可能か、代替薬はあるか
  • 再発・急変時に帰国するか現地で治療を受けるかの判断基準
  • 緩和ケアを含めた終末期の選択肢

※ このページの情報は 2026年4月時点のものです。制度・金額は変わります。最新情報は厚生労働省・オランダ政府(Rijksoverheid)・各保険会社の公式情報でご確認ください。医療判断は必ず主治医・医療機関にご相談ください。